好き≠恋(日文版)-第10章
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「……大嫌いねぇ。だから、お前、最近、夜遅くまで撸Г螭扦螭危俊
「そうそう。どっかの誰かさんは付き合ってくんね椁省
愚痴にも似た嫌味を言われて、ジンは鼻で笑った。歩と放課後撸Г证取ⅳ嗓Δ筏皮庖惯Wくまで長引くことが多く、それが面倒で断ることが多かった。それならそれで、理由ぐらいしっかり言ってくれれば付き合ったものの、歩は尋ねないと言わない。
「お前がちゃんと言わないからだろ。ま、んな理由ならくだんなくて、付き合わないけど」
ジンはそう言うと、カタンと音を立てて立ち上がる。時計を見ると、もうそろそろ授業が始まりそうな時間だった。
「くだんないってどういうことだよ」
「まぁ、その話は後でしようぜ。もうすぐ、英語の時間だぜ。お前、英語苦手なんだから、ちゃんと勉強しろよ」
恨めしそうに睨んでいる歩を見て、ジンは笑いを堪えて背を向けた。それから、窓際に居る健人をもう一度見つめる。いつもと変わらない表情で、英語の教科書とノ趣虺訾筏皮い虢∪摔蛞姢啤iとは大摺い坤胜人激盲俊
いくら、兄弟ではないと言っても、ここまで正反対な性格をしているとは思わなかった。
「……今日こそは、俺に付き合えよ」
放課後なったと同時に、歩はジンの所へ向かった。机の前で仁王立ちすると、ジンは苦笑いで「うわぁ、これは大分鬱陶しい奴が来たぞ工葰iをからかう。一度、話してしまったら最後まで話さないと気が済まないのか、歩の中で感情が牎盲皮い俊
「どこ行くんだよ。ゲ互螅俊ˉ蕙辚‘? それともエアホッケ俊
「ゲ互螭摔稀⑿肖胜ぁ
ゲ啷互螗咯‘に行くと、健人と行ったことを思い出しそうでイヤだった。あの時は、どんな気持ちで一緒に居たのだろうかと思い出し、胸の奥がズキンと痛むのが分かった。嫌いな相手と行った思い出なんて楽しくもないはずなのに、あの時だけは楽しんでいたんじゃないかと思ってしまい、かぶりを振って思考を消した。
「じゃⅳ嗓承肖螭坤琛
「話せるところだったら、どこでも良いよ」
諦めたように言う歩を見て、ジンは「……じゃⅳ嗓盲珕瞬璧辘扦馊毪毪‘」と言って立ち上がった。基本的に行動派である二人が喫茶店で話しあうなんて初めてのことだった。健人とのことを誰にも話すつもりはなかったが、話してしまえば、頭の隅で蠢いている鬱陶しい感情が消えるのではないかと思った。話して、楽になりたい。
ズボンのポケットに入っている携帯が止め処なく震えている。どうせ、女の子からのメ毪坤恧Α¥饯λ激盲繗iは携帯の電源を切って、カバンの中に押し込む。今は、誰かとメ毪颏工霘莘证扦猡胜ぁ
「珍しい。お前がケ骏い颔啸螭沃肖耸宋瑜Δ胜螭啤¥い膜庹lかとメ毪筏皮螭坤怼
「してるんじゃなくて、来るの」
「モテるヤツは言うことが摺Δ施‘」
ジンのからかう声は、歩の耳を突き抜けて行った。そんなことにいちいち構っていられるほど、気持ちに余裕があるわけではなかった。あれからずっと、歩の心の中に余裕は無い。嫌いだと言ってしまったから楽になれるのかと思えば、そうではない。ずっとどこかで、冷静な健人の顔が頭の中に残っている。それを早く、消したかった。
駅からまっすぐ伸びている学校への通りを、二人は汗を流しながら歩いた。梅雨のせいで湿度は高く、歩いているだけだと言うのに、体からは汗がにじみ出してくる。ジンは道沿いに並んでいる店を眺めて、目に付いた喫茶店を指さした。
「あそこで良いだろ。あっついから、早く入ろうぜ」
「そ坤省
歩は手の甲で額から流れ出した汗を拭い、喫茶店へと足早に向かう。ドアを開けて中に入りこんだ瞬間、冷たい風が体に当たって火照った体を急激に冷やした。「いらっしゃいませ工榷摔蛴ㄈ毪欷氲陠Tの声が聞こえて、歩は顔を上げた。
「2名様ですか?」
「あ、はい」
にっこりと微笑みかける店員に頷くと、「こちらへどうぞ」とメニュ蚱证顺证盲葡税改冥丹欷俊5辘沃肖扦庖环陇蜗俗辍⒍摔弦粩扭摔郡嵯ⅳ蛲陇い俊
「ふはI丹搿
ジンは背もたれに寄りかかって、制服のシャツをパタパタと仰がせた。店員が持ってきた冷水を手に取り、歩は喉の渇きをうるおすためにそれを一気飲みした。コップをテ芝毪紊悉酥盲取辘楗螭纫簸蛄ⅳ皮搿
「何すんの」
メニュ蚱证恕ⅴ弗螭蠚iに尋ねた。ドリンクが書かれているメニュ蛞姢膜幛啤iはメロンソ坤郡巳毪盲俊¥饯ρ预à小⒔∪摔嫌郴^へ行ったときメロンソ坤蝻嫟螭扦い郡胜取㈩^の中で健人のことを考えてしまい、歩は目を瞑った。
「……アイスコ药‘」
「じゃぁ、俺、クリ啷僵‘ダにし瑜盲取
「え!?」
クリ啷僵‘ダにすると言ったジンに、過剰反応してしまい、訝しげな目を向けられた。自分自身、過剰反応してしまったことに気付き、歩は口元を押さえた。別にジンが何を頼もうが、歩には関係ないことだ。それでも、メロンソ坤毪盲皮い毳戛‘ムソ坤蝾mむことだけは、やめてほしいと思った。
「コ椁摔筏恧琛
「えⅳ浃坤琛¥膜ⅳ胜螭扦挨摔幛椁螭胜悚い堡桐‘んだよ。店員さ蟆
歩の制止を振り切って、ジンは片手を挙げて店員を呼んだ。今はメロンソ坤蛞姢郡胜い人激盲皮い皮狻ⅴ弗螭先·辘浃幛郡辘筏胜い坤恧Α:韦趣胜⒔∪摔蛩激こ訾工楗ぅ浃坤壤碛嗓蜓预盲皮狻ⅴ弗螭悉浃幛皮欷胜荬筏俊iの抵抗も空しく、ジンはやってきた店員にアイスコ药‘とクリ啷僵‘ダを頼んだのだった。
「で、話って何だよ」
「……健人のことだよ」
苦々しく言うと、ジンは笑って「それしかないわな」と迹盲筏郡瑜Δ搜预盲俊1长猡郡欷颂澶蝾Aけて、ジンは楽しそうに「話してみろよ」と言った。
1年とちょっとの付き合いしかないけれど、歩のことはそれなりに見てきたからこそ、ここまで自分を見失っている歩が何を思っているのか、ジンは気になっていた。少なくとも、1ヵ月半前までは普通だったように思う。1年の時、歩は健人のことを話すことなんて無かったし、こうして、嫌いだと態度に出すことも無かった。それなのに、どうして今さら、嫌いだと態度に出すのかが分からなかった。歩は、自分の感情を表に出すような奴ではない。それは良く知っていた。どれほど多くの女生徒が歩に近寄ってきても、歩は愛想のいい笑顔を振りまいて近づきすぎず遠からずの距離を保っていた。
人との関係を悪くすることなんて、しない奴だとジンは思っていた。そんな歩が健人に対してだけは、嫌いだと言い、それを態度に出しているのだ。珍しい以外、言うことは無かった。
「何かさぁ、一人だけ被害者ぶってんのがムカつくんだよなぁ」
思いつくままに、歩は口に出してみる。家の中にいて、一人ポツンとしていて、それが全て家族のせいだと決めつけている健人の姿が、前から気に入らなかった。再婚したことで被害を受けているのは健人だけではない。歩だって、被害者のうちの一人だ。それでも、両親に心配をかけたくないからと歩はひた隠しにしているのとは反対に、前面に出している健人が気に入らなかった。
「被害者ぶってる? どう言うこと?」
「知らないよ。自分の母親が再婚したこと、迹盲筏皮桐‘んだろ。それは見てて良く分かる。だからさ、父さんも景子さん……、あぁ、健人の母親なんだけど。景子さんもさ、凄く健人に気を使ってんだよ。俺と父さんと景子さんの三人で喋ってるときだって、ず盲冉∪摔卧挕%ぅ楗ぅ椁工螭胜盲蒲预Ψ饯瑹o理だ」
歩はため息を吐くと、テ芝毪酥猡蚋钉い啤⑨犷^部をガリガリと乱暴に掻き毟る。仲良く会話をしている裏で、ずっと二人は健人のことを気にかけていて、目の前に居る歩のことなど全く見ていない。それなのに、健人が一人だけ取り残されてると思い込んでいるのが、イラつく一番の理由だった。
今でも、二人はずっと健人のことを気にかけている。進路のこととか、学校でのこと、三人で話すときに健人の名前が出てこない時は無かった。
「ほんと、ムカつく」
その一言に、歩は感情全てを込めて吐く。残りはため息と一緒に、体から抜け出した。
「じゃぁさ、何で仲良いフリなんてしてたんだよ。そんなに嫌いなら、健人君のことなんか考えずに嫌いだって言ってやれば良かったのに。やってること、中途半端じゃね? お前」
「あのすかした顔がムカついたから……。泣かしたいって思ったんだよ」
「はぁ?」
歩も我ながら子供じみたことを言ったなと、言ってしまった後に気付いた。そして、それを後からジンに肯定された。
「ガキくせっ」
呆れた顔をしたジンを見て、歩はため息しか返せなかった。ジンに言われなくても、ガキ臭いことぐらい歩も分かっていた。そこで会話がぴたりと止み、店員がクリ啷僵‘ダとアイスコ药‘を持ってきた。目の前に置かれたアイスコ药‘に、歩はストロ蛲护踏筏坪恧驖櫎埂
「そんなお前のワガママに振りまわされてたなら、健人君に同情するわ。鬱陶しそうな顔してたのも迹谩¥猡Δ怠⒁痪wに居るだけでムカつくと思ってんなら、相手にすんなよ。互いにそれが一番なんじゃね惟‘? 健人君も、お前にはムカついてるみたいだし」
「もいっこ付け足すなら、何で健人があんなにも俺のことを嫌ってるのか分からない。最初から、すげ異巯肓激筏皮浃盲皮郡韦恕
「……んⅣd陶しいからじゃねぇ? あと、その上から目線も鬱陶しいと思う」
他人事の様な声が聞こえて、歩はこれ以上何を言っても、鬱陶しいと言われるだけな気がして口を椋Г袱俊¥饯欷扦狻ⅴ弗螭窝预盲皮い毪长趣系膜蛏浃皮い毪瑜Δ蕷荬筏皮い俊
「……佐偅
背後から声を掛けられ、帰ろうと思っていた健人は足を止めた。健人を呼び止めたのは担任の財前で、健人が振り向いた瞬間に「時間はあるか?」と少し急ぎ気味に尋ねてきた。
「えぇ、ありますけど……」
期末テストも今日で終わり、大してやることのない健人は戸惑いを覚えながらも静かに答えた。歩と言い合いをしてから、すでに2ヶ月が経った。あれから、二人の関係は一気に過疎化し、家の中でも口を利いている回数は少ない。帰ってくるのが遅い歩と、顔を合わすことが無いから余計だった。
「進路のことで話がある。ちょっと良いか?」
なんとなく、進路の話を出されるのではないかと思っていた健人は「分かりました」と答え、先に歩く財前の後を追った。
進路懇談をするために、進路アンケ趣5月の中旬に配られた。それがきっかけで、歩とケンカすることになった。進路に迷っていた健人は、結局、未定と書いて提出したから、財前はそのことについて話したかったのだろう。もう一度、教室へ戻ると、教室の中には誰も居なかった。
しんとした教室に入り、財前は「そこに座ってくれ」と窓際の席を指差した。健人は椅子を引いて座ると、健人の真横に財前が座る。いつもは笑みを絶やさず、そこそこ人気のある教師なのに、今は真剣な顔をしていて年相応に見えた。
「分かってると思うが……」
「えぇ」
進路のことでと言われた時点で、何を話すのか、健人は考えなくても分かっていた。しかし、決まっていない以上、未定以外書くことが無かったのだ。
「クラスでお前だけだぞ。未定と書いて出したのは……」
「…