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第9章

杀意的定时炸弹北阿尔卑斯涸沢山杀人事件(日文版)-第9章


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胧陇摔胜搿M髸r計に目をやれば、まもなく午前10時半。今すぐ発(た)ったとしても、稜線に蓿曜扭挨巳彰护蛴à皮筏蓼Α¥筏狻ⅳ饯伍g、泊まる事の出来る山小屋は1軒も無い。途中で幕営しようにもテントは持ってきていないし、地図を見た所、設営可能な場所も無さそうだ。焦ってもどうにもならないと観念した俺は、今夜は新罚Ц呶氯瞬搐蓼辍⒚魅栅卧绯⒊霭kする事にした。

 今夜の宿を求めて観光案内所を訪ねた俺は、ここからバスで来た道を少し下(くだ)った所にある一軒の温泉宿を紹介された。弓折岳(ゆみおりだけ)、槍ヶ岳、罚Ц哌B峰に源(みなもと)を発する左俣(ひだりまた)、右俣(みぎまた)の流れが、丁度、新罚Ц撙呛悉铯丹昶烟锎ǎà蓼郡铮─趣胜搿¥饯吻辶鳏藪欷氲酰à模─陿颏蚨嗓辘盲克私褚工嗡蕖干钌角P(しんざんそう)」はあった。

 今日はもう何も出来ないし、折角、奥飛騨温泉郷の最奥(さいおう)にある新罚Ц呶氯蓼扦浃盲评搐郡韦馈L枺à遥─悉蓼栏撙いⅳ长嗡拮月卧慈绷鳏仿短祜L呂へと浸かる。蒲田川河畔(かはん)にある露天風呂は、川上(かわかみ)に抜戸岳(ぬけどだけ)、川下(かわしも)に焼岳(やけだけ)を望み、周囲には丁度始まったばかりの紅葉が彩りを添える。川の潺(せせらぎ)に耳を傾けながら浸かる露天風呂は最高だ。普段、都会のス雪‘銭湯で溜飲(りゅういん)を下げている俺にとっては、この上も無い贅沢(ぜいたく)だ。夕食に出された飛騨牛のステ庵激盲郡贰⒄搜预κ聼oし???と部屋で寛(くつろ)いでいると、やおら携帯電話が鳴った。木村未来からだ。

「もしもし」
「響資さん? 未来です」
「どうしたの?」
「どうしたのって???一昨日(おととい)、昨日と2日間、電話が無かったから、ひょっとして響資さんの身に何かあったんじゃ無いかと心配になって電話したんじゃないですかぁ」
「それは、ゴメンゴメン」
「ところで、今どこですか? 響資さんさえ良かったら、これからどこかで食事でもと思ったんですけど???あ、2回もおごってもらっちゃったから、今回は私がおごりますよ!」
「ありがとう。気持ちは、とてもありがたいんだけど、それはちょっと無理なんだな。実は???今、岐阜にいるんだよ」
「岐阜?」
「うん、耍麤gさんの足跡を追って松本を訪ねたんだけど、そこから、平湯温泉、そして、新罚Ц呶氯丐绒{り着いちゃってね」
「て言うか、本当は誰か『いい女性(ひと)』と一緒に温泉旅行でもしているんじゃ無いですか?」

 電話越しだが、どうやら彼女はふくれているようだ。思わず目に浮かぶ。

「本当だって。君に嘘ついても仕方ないだろ?」
「信じてますよ、私だって。平湯と新罚Ц撙坤胜螭疲浚浚棵販菠辘筏皮い腠戀Yさんが羨(うらや)ましかっただけですぅ」
「おいおい???俺だって撸Г婴抢搐皮い朐Uじゃないんだよ」

 俺は、松本を訪ねてから今日までの経緯(いきさつ)を彼女に話した。

「それじゃ、深山係長が耍麤g課長を殺したって言うんですか?」
「いや、まだ深山さんが耍麤gさんを殺したって決まった訳じゃ無い。今の所は、その可能性が高いって言うだけだよ」
「でも、響資さんは深山係長を疑っている訳でしょ?」
「まあね」
「で、これからどうするんですか?」
「明日の早朝、宿を出発して、新罚Ц撙樗{沢さんの遺体が見つかった涸沢岳沢へと登ってみるよ」
「それじゃ、明日はまだ戻ってこられないんですか?」
「ああ。新罚Ц撙蛟绯霭kするけど、日帰りは無理だろうから、明日は稜線の山小屋へ泊まるよ。そっちへ戻れるのは明後日(あさつて)か???明明後日(しあさつて)になるかなぁ」
「分かりましたぁ???」

 彼女は淋(さみ)し気(げ)な声で答えたが、こればかりは仕方がない。ここは彼女に我慢してもらうしかない。

「ところで、未来さん、一つ約束して欲しい事があるんだけど」
「何ですか?」
「深山さんが耍麤gさんを殺した可能性が高いとは言え、まだ『クロ』と決まった訳じゃないし、会社では深山さんに、ごく普通に接してもらいたいんだ」
「普通に?」
「そう、普通に。何事も無かったかのようにね。それと、未来さんが俺と会ったり、電話で連絡取り合ったりしている事も一切伏せておいて欲しいんだ。約束してくれるかな?」
「それは、響資さんの頼みなら何だって聞きますよ。でも、何故ですか?」
「俺が考えているように、もしも、深山さんが本当に犯人だとしたら、色々嗅ぎ回っている俺や未来さんに、どんな危害が及ぶか分かりゃしない。それに元はと言えば、未来さんをこの件に引きずり込んだのは俺だし、万が一、未来さんの身に何かあったりしたら、俺???」
「響資さん???ありがとう???」

 電話越しだが、彼女の声が震えているのが分かる。どうやら、泣いているようだ。

「未来さん???大丈夫?」
「ええ、大丈夫。嬉しかったんです。響資さんが私の事、心配してくれて???」

 普段、女心なんて丸きり分からない鈍感な俺でも、流石にこの一言(ひとこと)には心が揺れる。初めて、彼女の事を心の底から愛(いと)おしいと感じた。

 電話を切った俺は、彼女の声の余韻を胸に布団へと入る。それにしても、ヌ佶毳些‘グで彼女と初めて出会ったのは、ほんの5日前の事だ。にも関わらず、お互い、こうも早く惹かれ合うようになるだなんて。それもこれも耍麤gの死がきっかけなのだから、正に人の縁とは不思議なものだ。

 10月21日、水曜日、午前7時── 。

 宿の主(あるじ)に頼んで用意しておいてもらった弁当を受け取り、俺は深山荘を出発した。空はどこまでも蒼(あお)く澄み渡り、蒲田川の流れが上流から冷風を撙螭扦搿?諝荬狭荩à辘螅─趣筏皮い贫嗌偌『ぁ

「なあに、歩き始めれば、どうせ汗ばむんだから、これくらいで丁度いいや」

 今日は朝から夕方まで、みっちり歩く事になる。長い道中を前にして、自らに気合いを入れる。

 新罚Ц撙虺霭kした俺は、右俣谷左岸の退屈な林道を行く。左俣谷沿いの林道を行けば、双六岳(すごろくだけ)、三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)、鷲羽岳(わしばだけ)、水晶岳、课謇稍溃à恧伽搐恧Δ坤保─妊预盲俊ⅳい氦烀坤郡氡饱ⅴ毳抓工蚊澶丐戎沥毪韦坤⒔窕丐蠀gなる物見撸剑à猡韦撙妞丹螅─康膜扦蠠oい。あくまでも、耍麤g、そして、深山が歩いたであろう足跡(そくせき)を蓿毪韦康膜馈S屹读值坤驓iくこと1時間。最初の休憩地、罚Ц咂剑à郅郡坤い椋─丐茸扭I饯沃肖我卉幩蓼妊预盲匡L情(ふぜい)の罚Ц咂奖茈y小屋が建っているが、あいにくと人っ子一人いない。入口横の案内板をよく見ると、この時期は土日しか営業していないと書かれている。道理で誰もいない訳だ。俺は小屋の前に広がる放牧場で、鳥が囀(さえず)る中、長閑(のどか)に草を食(は)む牛達を眺めつつ、暫し休息を取った。

 罚Ц咂饯虺訾1時間。白出沢出合に着く。この儘、林道を進めば、槍平(やりだいら)を経て「日本のマッタ邾毳蟆工趣獬皮丹欷朊濉尌鲈坤丐戎沥毪韦坤⒘值罋iきはここでお仕舞いだ。ペットボトルに湧き水を補給し、右側の樹林帯へと足を踏み込む。ここから次のポイント、重太郎橋までは白出沢左岸の獣道(けものみち)の如(ごと)き細い登山道を行く。陽光(ひ)を遮(さえぎ)るものが無かった林道とは打って変わり、木陰(こかげ)の中を歩くので、とても涼しい。とは言え、新罚Ц撙虺霭kしてから、ここまでで出会った登山者は一人もいない。共に罚Ц撙味牼を目指すル趣扦ⅳ毪摔忾vわらず、上高地、新罚Ц撙绕鸬悚悿胜毪坤堡恰ⅳ长欷郅嗓蓼扦瞬瞍ⅳ毪趣纤激铯胜盲俊¥长欷⒛妞松细叩丐椁坤盲郡椤⑺耍à窑龋─瘸龌幛铯胜い瑜Δ摔工胧陇畏饯yしい。これなら、このル趣蛏钌饯人{沢が歩いたとしても、他人に見られた可能性はとても低かった事だろう。

 午前11時過ぎ、重太郎橋に着く。「重太郎橋」なんて言うと、さぞや立派な橋が架(か)かっていると思われるかも知れないが、実際には角材を番線で束(たば)ねたものが白出沢の流れの上に渡されているだけだ。しかも、大雨の時や雪解けで沢の水量が多い時には橋は水没。ここを渡るのが困難になると言うのだから恐れ入る。幸い、ここ数日晴天続きで、雪解けの時期でも無い事から、沢の水量はそれ程でも無い。何の苦も無く渡れたのはいいが、一難去って又一難。橋の次は回廊だ。左側は垂直な岸壁、右側は切り立った断崖。幅1メ去氤踏蜗沥せ乩趣瑫氦Aくのだが、所々に設置された標識には、「落石注意、速(すみ)やかに通過せよ」等と書かれている。実際、比較的新しい崩落跡にも遭遇した。ここではゆっくり休む事すら出来ない。腰を下(お)ろして休みたいのは山々だが、先へと進む。

 回廊を抜け樹林帯の急登(きゅうとう)を進む。次第に沢の流れる音も遠ざかり、突然、見渡す限り一面のガレ場が目の前に現れた。横には、いつ頃、うち捨てられたのかも分からない朽(く)ち果(は)てた小屋がポツンとある。腕時計に目をやれば、正午はとうに過ぎている。荷継小屋跡へと到着したのだ。

 深山荘で用意してもらった弁当を食べ終わった俺は、ル劝改诎澶虼_認する。なるほど、涸沢岳の南西尾根を挟んで左右に似たような二つのガレ場が稜線へ向かって続いている。罚Ц咴郎角Pの建つ白出のコルへは右奥の白出沢のガレ場を登らなくてはならないが、ここへ初めて来た者にとっては、左手前の荷継沢のガレ場を登りたくなる道理も良く分かる。ル劝改诎澶瑹oければ、恐らく俺ですら何も考えずに、手前の荷継沢を登るだろう。ましてや、案内板に細工がされていたとすれば尚更(なおさら)の事だ。とは言え、今日は白出のコルへ向かうのが目的では無い。耍麤gの滑落遺体が発見された涸沢岳沢へと向かわねばならないのだ。

 荷継沢を登り始めて、そろそろ1時間。右側に別のガレ場が現れた。荷継沢自体、一般の登山ル趣扦蠠oいから、周囲を見渡してもル劝改诎宓取ⅳ嗓长摔庖姷堡郡椁胜ぁH·瓿訾筏康貒恧蛞姢欷小ⅳ嗓Δ浃椁长欷詻g岳沢のようだ。俺はこのガレ場を登る事にした。

 涸沢岳沢を登る事、2時間。見上げれば罚Ц撙味牼と正面に一つのピ姢à搿?证椁稀ⅳⅳ欷詻g岳なのだろう。更に14分ほど登ると、ガレ場に赤いペンキで何やらマ螗挨丹欷皮い搿=钉い皮撙毪取ⅰ浮痢褂·取200X。10。11」と日付が書かれている。

「ここだ!」

 遂に蓿曜扭い俊¥长长怂{沢の滑落遺体が横たわっていたのだ。暫く周囲をうろついてはみたが、遺体発見から既に10日。警察の実況見分も終了し、事故死として処理されてしまった後(あと)の事だ。現場には何も残っていない。そこで俺は更に先へと進み、何とか涸沢岳頂上から伸びる支稜の一つへと登り詰めた。

「耍麤gと深山がこのガレ場を通ったとすれば、よくも登ったものだ???」

 一般の登山ル趣扦蠠oいのだから、全く整備等されていない。ル劝改诎澶夂韦鉄oく、ここまで上がるには勘を頼りにせざるを得なかった筈だ。

 俺は休憩がてら周囲を見渡してみる。南には涸沢岳頂上から続く南西尾根が伸び、罚Ц咴郎角Pからは死角になっている。北には鳥も通(かよ)わぬと称される大岸壁、滝谷(たきだに)へと合流する幾つもの沢

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