仮面城(日文版)-第23章
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「きみ、きみ! きみが今ひろったものはなんだね」
わりあいにおだやかな|声《こわ》|音《ね》なのである。
俊助は答えないで、無言のまま、じっと相手の顔を見つめている。四十歳ぐらいの小男で、するどい目つきをしていたが、しかし人相は思ったほど|兇悪《きょうあく》ではなかった。
せいかん[#「せいかん」に傍点]なまゆのあいだにも、どこかゆったりしたところが見えるのだ。
「きみ、ちょっとそいつを見せたまえ」
男はこうしじまのオ些‘のあいだから、右手を出した。
「いやだ」
俊助はマフラ颏Δ筏恧摔筏胜椤⒁徊饯Δ筏恧摔筏辘兢
「いいから、こちらへ出したまえ」
「いやだ。きみはなんの権利があってそんなことをいうのだ。きみはいったい何者だ」
「なんでもいい。出せといったら出さないか」
男はしだいに俊助のほうへつめよってくる。俊助は一步一步しりぞいてゆく。ふたりはグルリと道の上で円をえがいて、こんどは俊助のほうが木立のそばへ追いつめられていった。
そこにはがんじょうな鉄条網が張りつめられてあるので、しりぞこうにも、もうそれ以上しりぞくことができないのだ。
「きみ、きみ、出せといったらおとなしく出したまえ」
「いやだ!」
そう叫ぶと同時に俊助はネコのように身をすくめると、いきなり相手の男におどりかかっていった。ふいをくった相手の男はもろくもあおむけざまに、ズデンと道の上にころがったが、それを見るや俊助は、すばやく馬のりになってつづけさまに二つ三つポカポカとなぐった。
「このやろう、ひどいやつだ。昨夜瀬川兄妹をおそったのはきさまだろう」
「ちがう。はなせ! 苦しい」
小男は苦しそうに目をむいて、
「ちがう、ちがう。きみはなにかを铡猡筏皮い毪螭馈¥长椤ⅳ浃幛螭>欷握撙摔皮啶ぃ郏!袱皮啶ぁ工税悖荬工毪取ⅳ饯韦证螭摔悉筏皮螭荆
「警察の者?」
俊助はそう聞きかえしながら、おもわずちょっとひるんだ。そのすきに男はすばやく、俊助のからだをはねつけてとびあがった。しかし、べつに俊助のほうへとびかかってこようとするのでもない。
「わけもいわずにいきなり声をかけたのは、こちらが悪かった。きみ、そのマフラ虺证盲啤伌à渭窑蓼扦浃盲皮郡蓼ā¥胜摔猡庠挙筏皮浃毪椤
そういうと、このふしぎな男は、俊助のほうには見むきもせずに、先に立って步きだした。
石狩のトラ
「いやわけ[#「わけ」に傍点]もいわずに由美子さんのあとをつけまわしていたのは、わしが悪かった。しかし、これも警視庁の命令だからかんべんしてもらいたい。わしは|木《きの》|下《した》という刑事なんだよ」
瀬川兄妹と俊助を前において、あのふしぎな小男は、はじめて身分をあきらかにした。
「しかし、その刑事さんがなんだって、由美子さんのあとを尾行しているんですか?」
俊助はまだふ[#「ふ」に傍点]におちない。
「ふむ、きみがふしんがるのもむりはない。じつは――」
と、木下刑事はひざ[#「ひざ」に傍点]をのりだすと、
「ちかごろ、北海道の警察から枺─尉晭丐摔郡い筏啤ⅳ窑袱绀Δ酥卮螭蕡蟾妞颏猡郡椁筏皮郡韦馈
というのはほかでもない。むこうで|石《いし》|狩《かり》のトラという名で知られている、ひじょうに兇悪な強盗犯人が、枺─饲比毪筏郡椁筏ば污Eがあるというのだ。じつに恐ろしいやつで、人殺しでも強盗でも、平気でズバズバとやってのけようという悪党なのだ。
警視庁でもすてておけない。ただちに手配して、最近、どうやらそいつではないかと思われるようなやつをひとり発見した。というのは、この石狩のトラというやつは、左足がなくって、木の義足をはめているものだから、それが目じるしなのだ。ところが、そいつが目をつけているらしいのが、ふしぎにも瀬川さん、あなたがたなんですよ」
「まあ!」
由美子は、おもわずくちびるまでまっ青になった。
しかし、そんな恐ろしい男が、どうして、こんなまずしい兄妹をつけねらっているのだろう。ぬすもうにもなに一つ持っていない、このびんぼうな発明家をねらって、いったいどうしようというのだろう。
「さあ、そのてん[#「てん」に傍点]です」
と、木下刑事。
「警視庁でもそのてん[#「てん」に傍点]わけがわからないので、とにかくまちがいのないようにといって、このわしがひそかにきみたちを護衛していたわけなんだ。それがかえってきみたちのうたがいをまねくもとなんだが、きょうになって、やっと石狩のトラの目的というのがわかった。瀬川さん、これはじつによういならぬ事件ですぞ」
「よういならぬ事件というと?」
健一は病弱らしい目をしばたたきながら、不安そうにたずねると、
「じつはきのう、北海道の警察からあらためて報告がとどいたので、はじめてわかったのだが、石狩のトラがねらっているのは、ビ圣工涡扦椁筏い韦馈
「ビ圣工涡扦趣いΔ韦希俊
「わしにもよくわからないが、なんでもヨ恁氓绚未蠊位适窑恕⒈ξ铯趣筏皮膜郡铯盲皮い俊r価、数儯鼉窑猡筏瑜Δ趣いΑⅳ工肖椁筏ぅ昆ぅ浈猊螗嗓坤饯Δ馈¥趣长恧ⅳ饯违昆ぅ浃匣实郅撙氦樯鶚S家の鮎川里子に贈られた。そしてさらに鮎川里子から、おいにあたる瀬川健一に、遺産としてゆずられたようすがあるというのですよ。
つまり瀬川さん、石狩のトラがねらっているのは、あなたのお持ちになっている、何儯鼉窑猡工毪趣いΕ昆ぅ浈猊螗伞ⅴ萤‘ナスの星らしいですよ」
かがやく星
健一と由美子のふたりはぼうぜんとして、おもわず顔を見合わせた。
「しかし、しかし刑事さん。ぼくはそんな高価なダイヤをゆずられたおぼえはありませんよ。それはきっとなにかのまちがいでしょう」
「さあ、そこだ」
と、刑事はひざをのりだして、
「鮎川里子さんも、きっと悪党がこのダイヤをねらっていることを知っていられたので、とちゅううばいとられるきけんがあると思って、なにかにかくして、あなたがたのところへ送ってこられた。ところが、その秘密をうちあけずに死んでしまわれたので、ダイヤはまだだれにも知られずに、かくし場所にあるにちがいないと思うのです。そこで瀬川さん、あなたはなにか鮎川さんから、生前贈られたものがありませんか」
「そういえば、おばは死ぬ少しまえに、由美子のところへ、きれいなフランス人形を送ってよこしましたが」
「それだ! その人形のなかにあるのだ!」
「あっ!」
それを聞くと、ふいに健一が頭をかかえて、どうとその場にからだを投げだした。
「ぬすまれた! 知らなかった! 昨夜のくせもの[#「くせもの」に傍点]はわたしをしばりあげておいて、あのフランス人形を床柱にぶっつけ、こっぱみじんにしておいて、なにかさがしていました。ああ、あのとき、きっとダイヤを見つけて持っていったにちがいありません」
ああ、なんという失望! なんというらくたん[#「らくたん」に傍点]! 知らぬこととはいいながら、数儯鼉窑猡工毳昆ぅ浃蛩证筏胜椤ⅳ撙工撙工饯い膜驉櫟长韦郡幛摔Δ肖とイ椁欷郡饯韦浃筏怠¥饯欷坤堡谓黏丹àⅳ欷小⒔∫护窝芯郡狻ⅳ胜瞬蛔杂嗓胜膜扭堡毪长趣扦郡韦恕
「にいさん、にいさん、しっかりしてください」
「ああ、おれはもうだめだ。おばのせっかくの心づくしを無にしてしまった。おれはなんというばかだったろう。おれの研究も、もうおしまいだ!」
さすがの木下刑事も、暗然としてことばが出なかった。
この若き発明家の失望、苦もんのさまから、おもわず目をそらすばかりであった。
そのときまで無言のまま、うしろにひかえていた俊助は、ふとひざ[#「ひざ」に傍点]をまえにのりだすと、
「由美子さん、これ、あなたのマフラ扦筏绀Γ俊
「え? ええ、そうですわ」
「今、むこうの土手の下でひろったものです。まんなかからまっ二つに切られていますが、どうしたのですか」
由美子はそこで昨夜のできごとを手みじかに話した。すると、俊助はギロリと目を光らせ、
「なるほど、すると、もういっぽうのはしをお持ちですか」
「はあ、ここにございますわ」
由美子はもういっぽうのはしを出して、それを俊助にわたした。
「由美子さん、このマフラⅳⅳ胜郡帳撙摔胜盲郡韦扦工
「いいえ、これ、おばが編んであたしに送ってくだすったの。そうそう、あのフランス人形といっしょに」
「そうですか、瀬川さん。由美子さん」
俊助はキッとひとみをすえて、
「ダイヤはまだぬすまれてはいませんよ。ご安心なさい。ちゃんとぶじにこの家にあるはずです」
「え、なんですって?」
健一も由美子も木下刑事も、おもわず俊助の顔をふりあおいだ。
「よく考えてごらんなさい。ゆうべ、石狩のトラが、フランス人形のなかからダイヤを見つけたのなら、あいつはなぜ、そのまま逃げてしまわなかったのでしょう。なぜ由美子さんの帰りを待ちうけていたのでしょう。
それはフランス人形のなかにダイヤがなく、由美子さんがかけているマフラ韦胜摔ⅳ毪瓤激à郡椁扦埂
石狩のトラはこのマフラ颏Δ肖Δ趣筏郡⒂擅雷婴丹螭悉胜丹胜ぁ¥饯长啬鞠滦淌陇堡膜堡皮搿¥饯长扦浃啶胜敕智肖辘趣盲皮い蓼筏俊
ごらんなさい。このマフラ韦栅丹摔膜い俊⑼瑜い啶工婴幛撙螭胜郅挨筏皮ⅳ辘蓼埂¥扦膝昆ぅ浃悉饯韦胜摔ⅳ盲郡螭扦筏绀Δ¥いい洹ⅳ埭悉饯Δ纤激铯胜ぁ¥搐椁螭胜丹ぁⅳ长违蕙榨椹‘についた泥を――これはくやしまぎれに地面にたたきつけて、むちゃくちゃにふみにじったしょうこで、つまりダイヤがなかったからです。とすると、ダイヤはもういっぽうのはしにあることになるじゃありませんか」
そういいながら俊助は、いま由美子がとりだしたマフラ韦悉筏摔膜い客瑜い栅丹韦啶工婴幔郏!袱啶工婴帷工税悖荬蛞护囊护膜皮い亭い摔郅挨筏皮い郡ⅳ饯韦Δ了娜摔韦沥婴毪椁稀ⅳい盲护い恕
「あっ!」
と、いう感嘆と歓喜の叫び声がもれた。
ああ! 見よ。いましも俊助がほぐした赤い毛糸のむすびめから、コロリところがり出たのは、光輝|燦《さん》|然《ぜん》! 見るもまばゆい青色のダイヤ、それこそ全世界になりひびいたダイヤモンドの女王、ビ圣工涡扦坤盲郡韦扦ⅳ搿
それから間もなく、あの兇悪なかた足強盗の石狩のトラが、木下刑事にとらえられたことは、いうまでもあるまい。
健一と由美子の兄妹は、このダイヤを売ったばくだいな金で、いまでは幸福に暮らしている。そして、健一の発明が完成するのも、間もないことだろうといわれている。
怪盗どくろ指紋
サ工未笫录
「まあ、ほんとうね、|志《し》|岐《き》さん。あのひと、うちの書斎にある写真とそっくりだわ」
「でしょう? ぼくもきょう、あの少年の写真がポスタ顺訾皮い毪韦蛞姢啤ⅳ婴盲辘筏郡韦扦工琛#馈钉摺罚'《ほ》|子《こ》さん、それであなたをおさそいしたのですが、見れば見るほどよく似ていますね」
「ふしぎねえ。いったいどうしたというのかしら。あのひと、おとうさまとなにか関係があるのかしら」
新日報社の花形記者三津木俊助が、こういう会話をふと小耳にはさんだのは、国技館の三階だった。なにげなくふりかえって