仮面城(日文版)-第18章
按键盘上方向键 ← 或 → 可快速上下翻页,按键盘上的 Enter 键可回到本书目录页,按键盘上方向键 ↑ 可回到本页顶部!
————未阅读完?加入书签已便下次继续阅读!
窑椁い郡人激Δ取ⅳ胜椁嗓辘坤筏郡韦稀ⅳ胜螭热倌辘扦悉胜い
「ああ、三太、それではきみはさっきから、いちぶしじゅうのようすを見ていたんだね」
「はい、金田一先生、ぼくはすっかり見ていました。そいつが部下をうち殺し、その手にピストルをにぎらせ、それから、いままでじぶんの着ていた銀仮面の衣装を着せたのです。そしてじぶんでさるぐつわをはめ、手足をしばって、気を失っているようなまねをしたんです。だから、銀仮面とはそいつなんです。そのおじいさんなんです」
三太にきっと指さされ、さすがの加藤宝作老人も、ハッと顔色をかえたが、すぐ、鼻の先でせせら笑うと、
「なにをばかな! 警部さん、あんたはまさかこんな子どものいうことを、ほんとうにはなさるまいな。かりにもわしは宝石王といわれた男だ。それを銀仮面などと、なにをばかな!」
はきだすような宝作老人のことばに、警部もちょっととまどいした感じだったが、そのときまたもや、意外なところから意外な声がふってきた。
「いいや、さっきのようすを見ていたのは、その子どもばかりではない。わたしたち三人もここから残らず見ていたぞ」
その声に、ギョッとしてふりかえった一同は、声の主の奇妙なありかに気がつくと、おもわず大きく目を見張った。
そのへやの壁に、五、六十も仮面がかかっていることは、まえにも話したが、その仮面のなかに、大野健蔵、秀蔵のきょうだい、それから文彦のおかあさんの顔もまじっているのだ。あまりたくさん仮面がならんでいるので、ほんとうの顔が、壁にくりぬいたのぞき穴からのぞいているのを、いままでだれも気がつかなかったのだった。
「これ、銀仮面、おまえはいつも部下をこのへやへ呼びあつめては、お面のうしろにくりぬいたのぞき穴から、こっそりお面をかぶった顔だけだして、部下のようすをさぐっていたろう。ながらくここにとじこめられているうちに、わたしはその秘密を知ったから、きょうはぎゃくにこの穴から、おまえのようすを見ていたのだ。さあ、もうこうなったらしかたがない、なにもかも白状してしまえ!」
長いあいだのうらみをこめて、壁の上からハッタとばかりに、宝作老人をにらみつけたのは枯れ木のようにやせほそった秀蔵博士。そのとたん、まっさおになってふるえている、宝作老人の両手には、ガチャンと手じょうがおりていた。
ああ、日本一の宝石王とうたわれた、加藤宝作老人が銀仮面とは、なんという意外なことだろうか。
思えば恐ろしいのは人間の欲である。
宝作老人もひとなみはずれた欲さえ持っていなかったら、あんな悪人にならずにすんだだろうに!
それはさておき、銀仮面がとらえられたので、文彦をはじめとして、大野きょうだいや香代子のうえには、いまはじめて、平和の日がおとずれた。
文彦は秀蔵博士の子どもとわかったが、しかしやっぱりいままでどおり、竹田家の子としてやしなわれることになった。そしてその家には、ときおり秀蔵博士がおとずれては楽しいひとときをすごしていくのだ。
秀蔵博士は日ましに健康をとりもどし、血色もよくなってきた。そして、健蔵博士と力を合わせて、人造ダイヤの研究も、着々とすすんでいるということである。
だから、いまにダイヤが大量に製造されて、それによって日本が、世界の舞台にのりだすのもそう遠いことでないにちがいない。
三太少年は金田一耕助にひきとられて、いまではあっぱれ、少年探偵になっているということである。
悪魔の画像
赤色の剑
「ああ、これは|杉《すぎ》|勝《かつ》|之《の》|助《すけ》の剑坤省
おじさんはそういって、くすんだ銀色のがくぶちにおさまった、大きな油剑韦蓼à恕ⅳ沥陇阮啢颏瑜护俊
その剑趣いΔ韦稀ⅳ郡埔互岍‘トル五十センチ、よこ一メ去胧互螗沥猡ⅳ恧Δ趣いΑ⒋螭视徒}だが、いちめんにベタベタと、赤い色がぬりつけてあって、なんとなく気味の悪いかんじなのだ。
「おじさん、杉勝之助ってだれ」
|良平《りょうへい》が聞くと、
「杉勝之助というのはね。戦争中に、若くして死んだ天才画家なんだ。世間から赤の画家といわれるほど、赤い色がすきで、どの剑蛞姢皮狻⒊啶どい沥幛螭衰佶骏佶郡趣踏盲皮ⅳ毪椁工挨铯搿¥ⅳⅳ浃盲绚辘饯Δ馈¥长长松激违单ぅ螭ⅳ搿
と、おじさんはいくらかじぶんの|眼《がん》|力《りき》をほこるように剑斡蚁陇韦工撙蛑袱丹筏俊R姢毪取ⅳ胜毪郅嗓饯长恕⑸紕僦蚊蓼àⅴ愆‘マ字でかいてある。
「おじさん、杉というひと知っているの」
「いや、特別こんいだったわけじゃないが、なにかの会で二、三度あったことがある」
良平のおじさんは、|清《し》|水《みず》|欣《きん》|三《ぞう》といって、いまうりだしの小説家だが、いたってのんきなひとで、まだおくさんもいない。そして、じぶんの姉にあたる、良平のおかあさんのところに、同居しているのだ。
良平のおとうさんは、さる大会社の重役だが、仕事の関係で、しじゅう旅行しているので、家がぶようじんだからと、こちらからたのんで、欣三おじさんにいてもらっているのである。
良平は、このおじさんがだいすきだった。
小説家のなかには、ずいぶん気むずかしいひともあるということだが、欣三おじさんにはすこしもそんなところはない。学生時代、テニスの選手だったというだけに、いかにもスポ磨蕙螭椁筏ぁⅳ丹盲绚辘趣筏郡窑趣恰⑹耸陇韦窑蓼胜趣胜伞⒘计饯蛳嗍证恕ⅴ悭氓粒堠‘ルなどをしてくれるし、また、いままでに読んだ、外国のおもしろい小説の話をしてくれることもある。
おじさんは夕がたになると、町をさんぽするのが日課になっていたが、そんなとき、良平のすがたが目につくと、
「おい良平、おまえもいこう」
と、いつもきっとさそうのだった。
良平の住んでいるのは、郊外にある、おちついた学園町だったから、夕がたのさんぽなどにはおあつらえの場所だった。良平の一家は三月ほどまえに、そこに家を新築して、ひっこしてきたばかりなのである。
そして、その日も良平は欣三おじさんにさそわれて、さんぽのおともをしたのだが、そんなとき、おじさんがかならずたちよるのは、駅前にある古道具屋であった。
古道具屋というのはおもしろいところだ。ミシンだの蓄音機だのという、文明の利器があるかと思うと、古めかしい仏像だのよろいだのがある。お琴があるかと思うとオルガンがある。ベッドや洋服だんすのような、大きなものがあるかと思うと、豆つぶほどのお人形があったりする。そして、それらのものがふるびて、くすんで、ほこりをかぶって、ゴタゴタとならんでいるところは、なんとなく、神秘的なかんじがするのだった。
おじさんはときどきそこで、へんな皿や花びんを買っては、掘りだしものをしたととくいになっていたが、いま、杉というひとの剑蛞姢膜堡郡韦猡饯喂诺谰呶荬坤盲郡韦扦ⅳ搿
それは西洋の悪魔らしく、ツノのようなふさのついたずきんをかぶり、ぴったり肉にくいいるようなじゅばんを着て、おどりながら、笛を吹いている全身像なのだが、じゅばんもずきんもまっ赤なばかりか、バックまでが、えんえんと燃えあがる火の赤さなのだ。
良平はなんとなく気味が悪くなって、
「おじさん、おじさん、杉というひとはどうして死んだの。病気だったの?」
とたずねると、おじさんは剑摔啶沥澶Δ摔胜盲皮い毪韦ⅳΔ铯韦饯椁恰
「ううん、病気じゃない。自殺したんだ」
「自殺……?」
良平が目をまるくしていると、
「そうだ。気がちがって自殺したんだ。いかにも天才画家らしいじゃないか」
と、おじさんはなおも熱心に、その剑艘娙毪盲皮い郡
「そうだ。ぼくはまだ、ねえさんに、新築祝いをあげてなかった。ひとつ、これを買っておくることにしよう。応接室の壁に、ちょうど、てごろの大きさじゃないか」
と、奥のほうへいきそうにしたので、びっくりしたのは良平である。
「おじさん、およしなさいよ。この剑菸钉瑦櫎い琛¥饯欷俗詺ⅳ筏郡窑趣谓}なんか……」
「アッハッハ、良平は子どものくせに、いやに迷信家だね。そんなこと、なんでもないさ」
店の主人にかけあうと、ねだんもてごろだったので、金をはらって、あとからとどけてもらうことにしたが、そのときだった。
表からはいってきた幞亭文肖ⅳ饯谓}を見ると、びっくりしたようにそばへより、しばらく、熱心に見ていたが、やがて主人にむかって、
「きみ、きみ、この剑悉い椁汀¥铯郡筏摔妞氦盲皮猡椁い郡い韦坤
とたずねた。主人はこまったように、
「いえ、あの、それはたったいま、このかたにおゆずりしたばかりで……」
それを聞くと、幞亭文肖稀ⅴ恁辘刃廊袱丹螭晤啢蛞姢啤
「しつれいですが、この剑颏铯郡筏摔妞氦盲皮坤丹椁螭¥い椁扦Iいになったのか知りませんが、わたしは倍はらいます」
と、はや、紙入れをだしそうにしたので、欣三おじさんはムッとして、
「お気のどくですが、それはおことわりします」
「倍で気にいらなければ、三倍でも四倍でも……」
それを聞くと欣三おじさんは、いよいよふゆかいな顔をして、
「いや、ぼくはもうけようと思って、この剑蛸Iったのじゃありません。気にいったから買ったのです。十倍が百倍でも、おゆずりすることはできません。おい、良平、いこう。おじさん、晚までにとどけてくれたまえ」
おじさんはそういうと、さきに立って店を出かけたが、すると、そのときうしろから、その男が気味悪い声でよびとめた。
「おい、きみ、きみ」
「なに?」
「そんなことをいって、あとで後悔するな」
そのことばに良平がギョッとしてふりかえると、幞亭文肖膝幞亭伟陇椁猡韦工搐つ郡扦长沥椁颏摔椁螭扦い毪韦坤盲俊
油剑悉饯瓮怼⒐诺谰呶荬椁趣嗓い郡ⅳⅳ丹螭猡饯谓}を見るなり、
「まあ、良平のいうとおりだわ。欣三さん、これ、なんだか気味の悪い剑汀
「アッハッハ、ねえさんまでそんなことおっしゃっちゃいけません。せっかくぼくが新築祝いにおおくりしようというのに……」
「ホホホ、すみません。じゃ、いただいとくわ。ありがとうね」
「では、さっそく応接室にかけますから、ねえさんも手伝ってください。おい、良平、道具箱を持ってきてくれ」
「はい」
そこで良平も手伝って、油剑驈杲邮窑伪冥摔堡毪取⑷摔恰ⅳⅳ椁郡幛皮饯谓}のまえに立ってながめた。
「まあ、こうして見ると、やっぱりいいわね。はじめはあんまり赤いので、なんだか気味が悪いように思ったけれど」
「それがこの画家の特色なんですよ。赤の画家といわれていたくらいですからね」
「でも、そのかた、どうして自殺なすったの?」
「それがよくわからないんです。かきおきがなかったんでね。きっと、気がちがったんだろうといわれています。天才と狂人は紙一重だといいますからね」
「じゃ、ぼく、天才なんかになりたくないや」
良平がうっかりそんなことをいってのけたので、一同大笑いになったが、ちょうどそこへ、美しいお客さまがあった。
「まあ、おにぎやかですこと。みなさま、なにを笑っていらっしゃいますの」
そのひとは|森《もり》|美《み》|也《や》|子《こ》といって