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第17章

仮面城(日文版)-第17章

小说: 仮面城(日文版) 字数: 每页3500字

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「しまった、しまった、またとり逃がしたか!」
 警部は草むらからとびだすと、岩をたたいてくやしがった。しかし金田一耕助は、いっこう動じる色もなく、にこにこしながら、
「だいじょうぶですよ。警部さん、もうこうなったら、袋のなかのネズミもどうぜん。この入り口をひらくことだって、そうむずかしいとは思いませんよ。それより、警部さん」
「はあ」
「あなたはあの自動車に見覚えはありませんか?」
「そういえば、どこかで見たような車だが……七一年型のクライスラ扦工汀
「三〇三六九……たしかにあの車とおなじ番号です。ほら、宝石王、加藤宝作老人が浅草の劇場へのりつけてきた……」
「な、な、なんですって?」
 おどろいたのは等々力警部。
「それじゃ銀仮面のやつは、宝作老人の車をぬすみだしたのか。……いやいや、ひょっとすると、われわれが出発したあとで、宝作老人も銀仮面の手に……」
 等々力警部の顔には、にわかに不安の色がひろがってきた。しかし、金田一耕助はなにかもっとほかのことを考えているらしく、恐ろしそうにからだをすくめると、
「いやいや、そうではありますまい。それより、もっと恐ろしいことが起こっているのかも知れないのですよ」
 と、ホッとひそかにため息をもらすと、
「いや、しかし、いまはそんなことをいっているばあいではありません。それよりも、一刻も早くこの岩の戸をひらかなければ……」
「さあ、問睿悉饯欷扦工琛⒔鹛镆护丹蟆¥长窝窑螒酩颏窑椁盲啤ⅳい盲郡い嗓Δ筏郡椁いい螭扦埂%昆ぅ圣蕙ぅ趣扦扦獗kするんですか?」
「いや、その必要はありますまい。銀仮面のやつも、わりにかんたんに、動かしていたようじゃありませんか。ひとのできることなら、ぼくにだってできぬはずはない。ひとつ、よく眨伽皮撙蓼筏绀Α
 金田一耕助はしばらく念入りに、岩の表面を眨伽皮い郡ⅳ浃皮摔盲长昃郡韦郅Δ颏栅辘à毪取
「警部さん、どうやらわかりましたよ。ほら」
 と、強くなにかを押したかと思うと、またもやあの岩の戸が、ギ谩ⅴ‘ッと不気味な音をたてて動きはじめたが、と、そのとたんである。
 ダ、ダ、ダン! ダ、ダ、ダン!
 と、岩の戸のうしろから、ものすごい音をたてて、警官たちにおそいかかってきたのは、つるべうちにうちだすピストルのたま。
 ああ、こうして仮面城をとりまいて、警官対怪盗一味のものすごい|血《けっ》|戦《せん》の幕が切って落とされたのだった。

     仮面司令室

「ちくしょう、ちくしょう、こんどというこんどこそ、金田一耕助にしてやられたぞ!」
 仮面城の奥まった一室で、バリバリと歯ぎしりかんで、くやしがっているのは怪盗銀仮面。そのまえに、色青ざめておろおろしているのは、老婆に化けた怪人である。
 そことても奇妙なへやで、直径十五メ去毪猡ⅳ恧Δ人激铯欷搿ⅲ鼉摇钉à蟆罚病钉趣Α罚巍钉堡ぁ筏韦丐浃伪冥摔稀⒁幻妞摔い恧螭蕘⒚妞钉盲皮ⅳ盲俊
 おかめの面もあれば、ひょっとこの面もある。ピエロの面もあれば、てんぐの面もあるといったぐあいに、五、六十もあろうと思われる面が、円筒形のへやのぐるりから、さまざまな表情をうかべて、へやのなかを見おろしているのだ。
 そして、へやの正面には、高さ二メ去毪猡ⅳ恧Δ人激铯欷搿⒋螭蕰r計がおいてあった。時計の針を見るとちょうど十二時。しかし、振り子の部分は、あついカシのドアでとざされているので見えない。
「首領! 首領!」
 老婆の怪人はおろおろしながら、
「そんな弱音をはかないでください。入り口はそうかんたんにやぶれませんし、こちらには三人も人伲趣盲皮ⅳ毪韦扦工椤⒕伽郡沥狻ⅳ啶浃撙耸殖訾筏悉扦蓼工蓼ぁ
「人伲俊·ⅳ饯Δ馈4笠挨绀Δ坤い取⒅裉锩钭婴蛟绀长长剡Bれてこい!」
 銀仮面はテ芝毪紊悉摔ⅳ搿ⅴ蕙ぅ恁邾螭摔啶盲皮嗓胜盲郡ⅳ饯长丐ⅳ铯郡坤筏堡膜堡皮郡韦悉窑趣辘尾肯隆
「首領、たいへんです。敵はいま仮面城のなかへ侵入してきました。ピストルのうちあいがはじまっていますが、敵はとても優勢です」
「ばか! 機関悖悉嗓Δ筏俊¥郡摔涠摔尉伽郡痢ⅳ郡盲绚筏椁胜工筏皮筏蓼ǎ 
「そ、それが、だれかが機関悖颏长铯筏皮筏蓼盲郡螭扦埂
「な、な、なんだと! そ、それじゃ仮面城のなかに、裏切り者がいるというのか!」
 さすがの銀仮面も、ギクリとしたようすである。
「ようし、もうこうなったらしかたがない。人伲悉嗓Δ筏俊⑷速|を早く連れてこい。健蔵のほうが手にはいったから、秀蔵のほうはもういらぬぞ。あいつと竹田妙子と|矢面《やおもて》に立て、警官たちがひるむところを逆襲するんだ。あいつら死んだってかまうもんか!」
 ああ、なんという恐ろしいことばだろう。これが人間のいうことばだろうか。
「と、ところが、それもだめなんです。大野きょうだいも竹田妙子も、どこにもすがたが見えないんです!」
「な、な、なんだと!」
 さすがの銀仮面も、こんどこそ完全に、どぎもをぬかれてしまったらしく、しばらくは口も聞けずにいたが、そうしているうちにも、さっきから聞こえていた悖ⅳい瑜い瑜悉菠筏胜盲皮俊
「ようし、こうなったらもうしかたがない。おまえもいけ、おまえもいって戦え!」
「はっ!」
 くちびるをかんで出ていく部下を見送りながら、銀仮面は老婆の怪人にたずねた。
「おい、非常口のほうはどうかきいてみろ!」
「はっ!」
 怪人は卓上電話をとりあげると、
「X五号……おお、X五号だね。こちらは司令室。非常口のほうはどうか?」
 怪人は二言三言、電話で話をしていたが、すぐに受話器を投げだすと、
「首領、だめです。仮面城はとえはたえ[#「とえはたえ」に傍点]にとりかこまれ、アリ一ぴき、はいだすすきはないそうです」
 とまっ青になってふるえていたが、そのときだった。銀仮面がだしぬけに、あの気味の悪い笑い声をあげたのは……。
「ふっふっふ、敵もさるもの、なかなかやりおるわい。しかし、そんなことでへこたれるようなわしじゃないぞ。わしはどうしても、ここから逃げだしてみせるぞ。たとえ、どのような犠牲をはらっても……」
「たとえ、どのような犠牲をはらっても?」
「そうじゃ、たとえ、わしの片腕といわれる、忠実な部下のいのちを犠牲にしても……」
 そういったかと思うと銀仮面の目が、つるつるとした仮面の奥で、鬼火のように気味悪く光った。

     司令室の悖

 さて、こちらは警官隊の一行である。
 ここをせんどと抵抗する、銀仮面の部下とのあいだに、しばらく、はげしいうちあいがつづいたが、しかし不正はつねに正義の敵ではない。
 正確な警官隊の射撃にあって、あるいはうたれ、あるいはとらえられ、やがてゆく手をさえぎる者は、ひとりもなくなった。
 金田一耕助と等々力警部は、逃げまどう銀仮面の部下を追って、地下二階の階段をおりていったが、そのとき、とつぜん、横のドアがひらいたかと思うと、とびだしてきたのは、二メ去毪猡ⅳ辘饯Δ蚀竽肖馈
「だれか! 抵抗するとうつぞ!」
 等々力警部がピストルをむけると、相手は両手をふりながら、
「あ、あ、あ、あ……!」
 と、奇妙な声で叫んだ。その声を聞くと金田一耕助は、ハッとして、相手の顔を見なおしながら、
「あ、き、きみは大野健蔵博士の助手ではないか。警部さん、うっちゃいけない。いったい、きみはどうしてこんなところにいるんだ。……と、いったところで、聞こえないのだからわかるはずがなし、香代子さん、香代子さんはいないか?」
 その声に、香代子と文彦が警官に守られて、上からおりてきたが、香代子は一目、牛丸青年のすがたを見るなり、びっくりしてそばへかけよった。そして、身ぶり手ぶりで、しばらく話をしていたが、やがて喜びに目をかがやかせて、
「警部さん、金田一先生、喜んでください。おとうさんもおじさんも、それから文彦さんのおかあさんも、みんなごぶじで、あるところにかくれていらっしゃるのだそうです。えっ、なんですって、まあ、それじゃ三太というひとも、ここにいるんですって?」
「香代子さん、香代子さん、それじゃいっときも早く、みんなのかくれているところへ、案内してくれるようにいってください」
 金田一耕助のそのことばを、香代子がとりつぐと、牛丸青年はすぐ先に立って步きだした。
 一同がそのあとからついていくと、やがてやってきたのは司令室のまえ。
 香代子はそこでまた、牛丸青年と身ぶりで話をすると、警部のほうをふりかえり、
「警部さん、このなかだそうです」
 だが、香代子のそのことばがおわらぬうちに、ドアのなかから聞こえてきたのは一発の悖¥饯欷摔膜扭い啤ⅳΔ幛搐à取ⅴ丧单辘趣胜摔浃榈工欷胛镆簟
「アッ、ひょっとしたら、おとうさまかおじさまがうたれたのじゃ……!」
 香代子は、もうすでにまっ青になっている。
 警部はあわてて、ドアのとってに手をかけたが、カギがかかっていてひらかない。
 そこで警部が目くばせすると、すぐ二、三人の警官が、ドアにむかってもうれつな体当たりをくらわせた。
 メリメリメリ、メリメリメリ……。
 やがてドアがひらくと同時に、一同はなだれをうって、へやのなかへとびこんだが、そのとたん、思わずハッと立ちすくんでしまったのだった。
 へやのなかには銀仮面が倒れていた。しかも右手に、まだうす煙の立っているピストルを持ち、胸から血を流しているところを見ると、かくごの自殺をしたのだろうか。
 等々力警部はつかつかとそのそばへより、あのいやらしい銀仮面をはずしたが、そのとたん、おもわずおどろきの声が口をついて出た。
「あ、こ、これは……?」
「警部さん、警部さん、あなたはこの男を知っているのですか、だれです、これは……?」
「これは……これは、加藤宝作老人の秘書です」
「宝作老人の秘書……?」
 香代子と金田一耕助が、ハッと顔を見合わせたとき、
「アッ、あんなところにだれかひとが……!」
 そう叫んだのは文彦である。その声に一同がハッとふりかえると、へやのすみに、さるぐつわをはめられ、手足をしばられて、ぐったりと気を失っているのは、まぎれもなく宝石王加藤宝作老人ではないか。

     落ちた仮面

「ああ、知らなかった、知らなかった。わしの秘書があの恐ろしい銀仮面とは、きょうのきょうまで知らなかった……」
 それから間もなく、警官たちのかいほうで、息を吹きかえした宝作老人は、銀仮面の顔を一目見ると、さも恐ろしそうに身ぶるいをして、両手で顔をおおった。
 それを聞くと、香代子と金田一耕助は、うたがわしそうに目を見かわせたが、そのときだった。
「ちがいます、ちがいます。銀仮面はその男です。その男が秘書をうって、それに銀仮面の|衣装《いしょう》を着せたのです」
 とつぜん、へやのなかから意外な声が聞こえたので、一同がびっくりして、キョロキョロあたりを見まわしていると、だしぬけに、正面にあるあの大時計の、振り子のドアがひらいたかと思うと、なかからおどりだしたのは、なんと三太少年ではないか。
「ああ、三太、それではき

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